第5回 - 学術情報へのアクセス、著作権について
2021年5月17日
- 前回までのあらすじ
- 「研究」って何?
- 情報を調べる (初級編)
- 情報を調べる (上級編)
- 著作権について
- 本日のまとめ
雑談
話題: 大学(院)生活の工夫
0. 前回までのあらすじ
- インターネットの基本的なしくみを学習した。
- 電子メールの原理を学習した。
- メールソフトを使えるように設定した。
- 図書館のシステムの使い方を学習した。
- インターネットの線が1本しかなくても通信できるのは
「○○○○交換方式」のためである。
- 電子メールの差出人は何のために必要?
- メールの差出人は信用できる?
- どうやったらメールの差出人を信用できる?
- “ベストエフォート方式” とは何か?
小課題2について
課題を提出する際の注意点
大学では、不正行為 (他人の答えを写す、試験中に別の答案を見る、etc.) は、
オリンピックのドーピングと同様に重大な罪とされています。
これに違反すると単位の剥奪、(最悪の場合) 停学などがありえます。
不正行為をした科目の点数は 0 点になります。
- 友達と相談するのはOK。
- 答えを直接教えたり、見たりするのはダメ。
- 見せたほうも同罪です。
したがって (身の安全のため) うっかり見せないよう注意。
- 「ただの脅し文句で、実際に罰されたりはしないだろう」と思ったら大間違い。
そういう学生にはきっちり対処します。
- 逆に、課題と直接関係ない部分はいくらでも質問してよいので、
むしろ PCの使い方とかは積極的に友達・先生の技を盗みましょう。
実は、この問題はわざとあいまいに書かれていた。
実際には鏡は左右逆には写らないので、
真の質問は「人間が左右逆に写っているように思いこむのはなぜなのか」
ということである。
「鏡は前後を逆にするので左右逆ではない」という回答は、事実としては正しいが、
「なぜ」という質問には答えていない。
このように、あたりまえだと思うことを文章で
きちんと説明・説得する技術は、今後大学生活にとって
(および就職してからも) 非常に重要なスキルである。
今からでも練習しておいて損はない。
講評
- 句読点はちゃんとつけましょう。さもないと、投げやりな印象を与えます。
- 自分より説得力がある人の文章は参考にしましょう。
いただいた回答 (提出順)
- 直進した光が反射されて帰ってくるため左右は反転するが上下は反転しない(ハンコのように鏡に自分の体を押し付けた時の跡が写る)
- 自分の右側は鏡においても同じ方向であり、それは自分からみて向かい合った人の左となり、結果的に左右が反転する
- 鏡に左右逆、上下そのままに映ることで、鏡が正確に世界を認識できるようになるから。
- 鏡は自分を反射させているのであって、逆に映しているわけではないから
- 鏡越しで上下逆にならない理由は、もし上下逆になったら見にくく姿見として使いにくいからです。人間は大体左右対称の体をしているので、左右対称に鏡越しで見えてもあまり問題なかったのだと思います。
- 鏡は物体を左右も上下もそのまま映し、手前と奥を逆にするだけだから。
- 鏡に光が反射すると、光の進行方向が180度変化する。つまり鏡は左右が反転しているのではなく、手前と奥が反転しているだけである。そのため鏡と向かい合ったときは、左右が反転しているように見える。
- 左右には均一性が保たれているため光が直進して、結果左右対称に映るが、地球上には重力が存在しており、光に重力の何かしらの性質が働いているため上下には反転しないと考えられる。
- 鏡の前に観測者の人が立っていることを考えて、人の足から頭の方向を「上」、背中から腹の方向を「前」とすると、右左が決まる。鏡に写る像は人と上下は同じで前後は反対になるので、左右も反対になる。上下が変わらず前後が変わるのは、光が反射するときに前後の成分のみ反対になるからだと思う。
- 鏡に向かっている面からの光が反射すると、その面がこちらを向いているように見える。そのため、左右が反転する。鏡に反射した光は光源を鏡面に関して対象移動した場所から来ているように見える。そのため、上下は反転しない。
- 鏡は左右が逆に映っているという考え自体がおかしい。そもそも鏡は自分の姿をそのまま反射しているだけであって、逆に映しているわけではない。鏡像を見ている人間自身がかってに自分の立場からの左右を決めつけているだけである。自己中心的な考え方をすれば左右が逆だと感じるが、客観的に見れば鏡像はそのままを映しているのであって、逆という概念は存在しないだろう。
- なぜ鏡は左右逆に写るのに上下逆ではないのか、自分なりに考えた回答。人間がそう認識するため
- 反射して目に入る光は鏡に対して線対称の像を作るから。
- 鏡が左右逆になるのに上下逆にならない理由はそれが鏡側から見ているものであるからです。向かい合っている時に自分が左手を上げても相手から右をあげているように見えますその時に上下反対にはなっていません。
- 宇宙の真理によってそのように定まっているから
- 人間の目が水平方向に並んでいるから左右逆に写り上下逆には写らないと感じる、が自分の答えです。なぜなら、「横に転がって鏡を見ると自分の認識では左右逆に写るのに上下逆ではないが、水平に立っている人から見ると上下逆に写るのに左右逆ではない」事象から自分の像を見る座標軸で左右逆になり上下逆にはならないことがわかるからです。
- 鏡はその前にある物体をそのまま映し出すので、左右逆に見える。
- 光が反射して目に入るとき、目から見た光の来る位置は変わらないが鏡像と向かい合っているので左右だけ逆に見える
- 人間の脳は、上下の逆転は無意識に修正できるが、左右の逆転はどちらでも違和感がないので修正できないから。
- 人間の目は上下ではなく左右に並んでいるから。
- 向かい合った人にとって左右の感覚は逆だが、上下の感覚は一緒なため。
- 鏡は映った像をそのままこちらに反射しているだけなのでそもそも左右に逆転していないし上下も逆にならない。
- 光が鏡に当たると左右上下反転するが目の網膜が忖度して網膜に映った像を上下は反転させる。しかし、左右を反転させても特に変化したように見えないのでそのままにしている。これにより鏡の像は左右だけ反転して見える。
- 鏡において、自分の全身を写すことを考える。まず上下について、体の上半身は鏡の自分から見て上側に、下半身は下側に写る。同様に、右半身は自分から見て右側に、左半身は左側に写る。すなわち、左右逆に写っているのではなく、人間がある種の錯覚をしているだけである。
- 鏡はそもそも、左右も反転させていないと考えている。例えば、鏡に向かい右手を動かすと鏡の自分も右側の手を動かす。それに対して我々人間が鏡の自分の視点に立とうとするとき、上下は絶対的なものとして左右だけを入れ替えて考えるので、自分からすると左右だけが入れ替わったように認識するのではないかと思う。
- 人間の目が横に二つ並んでいるから(目が縦になるように寝転んで鏡を見たら元の向きにおける上下が反転して見える)
- 反射の法則により、頭部からでた光は、目の頭部の中間の位置で入射角=反射角を満たして反射し、人間は、反射光が自分の頭部と同じ高さで鏡に映ったところから来るように見え、上下が反転しないように見える。
- 鏡は入ってきた光を、上下左右とも反転させることなく反射するから。
- 人間の構造的に左右対称なので鏡に写ると左右反転しているように感じているだけで実際には、右手に対応しているのは右手である。これは足に対応しているのが足であると言うのと何も変わりはない。つまり、左右が反転していると言うなら上下も同様に反転しているし、上下が反転していないと言うなら左右も反転していない。
- 鏡は、鏡面と地面に垂直な断面で考えると、鏡面(断面では直線)について実像と線対称な図形を写し出すもので、その図形は、鏡面と向かい合う面以外は変化しないからだと思います。私にはよく理解できませんでしたが鏡に写る像は前後が逆になっているという話も聞いたことがあります。
- 鏡に映った像は鏡の手前ではなく奥にできているから。
- 仮に鏡が上下左右逆になるとすると、鏡は自分の鏡に対する影を映し出すので地面にうつる自分の影も上下逆になると思います。すると夕方には自分の足元に自分の頭があるので、太陽は真上から差していることになりますが、少し奥には自分の足元の影がうつるので太陽は水平(真横)に差していることになって矛盾が起きてしまうんじゃないかと思いました。難しいです。
- 鏡が左右反転するのに上下が反転しない理由は上下が逆になると不思議の国のアリスにおいてアリスが鏡の中の世界に入れなくなってしまうからだと思います。
- なぜ鏡は左右逆に写るのに上下逆ではないのか:鏡に反転しているのは垂直方向である。自分が鏡を向いているとき鏡の中に自分の逆のイメージを作る。左右が反転するには鏡の裏の自分の視点のイメージである。
- 鏡で反転するのは前後であって、左右も上下も反転しない。しかし、人が鏡に自分の姿を映すには、鏡による前後の反転を打ち消すために、自分自身を左右もしくは上下に反転させなければならない。多くの人は、無意識に自分自身を左右に反転させることを選ぶため、「鏡では(上下ではなく)左右が反転する」と錯覚するから。
- 鏡に映る像は鏡を対象面として鏡の前の景色を映したものであるから、鏡の垂直方向の高さは変わらないので上下は逆にならないが、左右は上下と前との関係で定義される方向であり、鏡にできた像の前と鏡の前にある景色の前とは180度方向が違うので左右逆になる。
- 鏡はそもそも左右にも上下にも反転していないと考えられる。理由は右手を挙げると鏡の右側の手が挙げられる。つまり、人間が勝手に鏡の世界の住人になったつもりで左手が挙がったといっているだけであるからである。つまり、左右逆に映ると考えるのはそもそも論で人間のエゴではないだろうかと私は愚考する。
- 上下左右は反転していない。奥行が反転している。
- 人間の目は上下ではなく左右についているから
- 自分から見た左右と鏡に映った自分から見た左右は逆であるが、自分から見た上下と鏡に映った自分の上下はぎゃくでないから。
- 鏡と向かい合ったところをまっすぐに映すけれど、これを人間は左右逆と認識してしまう。一方、上下は逆と認識しようがない。
- 左右逆にみえるのは人がそう思ってるだけでそれが上下では思わないから上下逆には写らない。
- 鏡が左右対称な理由はその向きを人間が左右と決めたから
- なぜ鏡は。。。 鏡の中の世界では現実世界と左右が反対だから。
- 鏡は光を反射しているので、鏡像は正面がこちら側に向くように映る。よって、左右は逆に映るが上下は反転しない。
- 鏡は手前と奥を逆に移しているだけだから
- 鏡を通して物体を見るとき、視点は鏡の奥になっているから左右だけ反転して、上下は反転しない。
- 鏡は目の前のもの手前と奥を反転させて映しているだけなので、上下反転もしてないし左右反転もしていない。
- 鏡は左右反転に写るのに上下逆に写らない理由は、平面鏡を見たとき、鏡の中のある部分に写る物体は鏡面に垂直な直線上にある、というように見えるためだと考える。例とし人間を写すとすると、実際の右腕は鏡写しの人間にとっての左腕になるが、実際の頭は鏡写しの人間にとっても頭である。これは実際の右腕に対して鏡写しの左腕は距離が最短、つまり鏡面に垂直な直線状にあるからであり、頭と鏡写しの頭も同様だからである。
- 鏡は物体を向かい合うように写しているだけで、そもそも左右を逆に写していると考えることが間違いだと考えた。
- そもそも、鏡が左右逆に写るという認識が間違っていると思う。前後、左右、上下の3つの軸が存在するとして、鏡はそのうちのどれか一つが逆向きになる。一般人が左右逆だと言うのは、鏡に写った自分の前後と上下の軸が実際の自分の軸とそれぞれ同じになるように合わせると左右だけ逆になるからだと思う。だから、前後と左右の軸を実際の自分の軸とそれぞれ合うように鏡に写った自分を重ね合わせれば、上下が逆になるはずだ。
- 鏡は常に自分と垂直な方向だけを反転する。もしここで上下も反転していたとすると、上下方向というのは自分と平行な方向なのでこれに矛盾する。よって、鏡は左右のみ反転する。
- そもそも鏡が左右逆に写る訳ではなく、人間が鏡を見たときに左右反転しているように見えるのは、自分が鏡の中に入ったと仮定して初めてそう認識するだけであると思う。例えば、自分の立っている床に鏡が張り付いている場合を考えると、上下が反転しているように見えるはずである。これは自分が鏡の中に垂直に入ったと仮定したときに初めて上下反転していると脳が認識をするだけで、鏡自体はあくまでも入射角と反射角が同じになるように光を反射しているだけであり、それ以上でもそれ以下でもないと思う。
- 鏡を90度回転させても左右逆から上下逆になることはないから、鏡が原因なのではなく人間側の問題だと考えられる。よって目が横に2つ並んでついてることが理由だと思う。
- 鏡は上下左右には反転しておらず、鏡に垂直な方向、つまり前後に反転している。鏡の前で右手を上げれば、鏡の中の自分も右"側"の手を上げるではないか。逆に、自分は鏡に向かって立っているのに、鏡の中の自分はこちらを向いて立っているので、前後が反転していると言える。左右が反転しているように感じるのは、鏡の中の自分が右側の手を上げたとき、人間が鏡の中の自分の視点に立って、左手を上げたと思うからである。
- 鏡は鏡側から見た姿を写したものを裏側から見た形と同じ見え方であり、その見え方は上は上だが右は右に対応するため
- 鏡は手前と奥を反転して写しているだけであるため。
- 鏡は左右逆に映るが上下逆に映らない。ただし、この場合の左右逆というのは鏡を見ている観察者にとって左右逆なのである。仮に半透明な鏡が存在したとし、この半透明な鏡をMと呼ぶとする。鏡Mを見ている観察者Aは、Mに映った自分の像を見ているとする。もう一人の観察者であるBは、AをMを通して見ることができるものとする。最初に述べた結論では、AとBでMに映ったAの像の見え方が左右逆であるという事を言っているのである。これは自分の片手を見る際、手のひらを見るのと手の甲を見るのでは親指の位置が左右逆であるのと同じ原理である。同様の原理により、AとBでMに映ったAの像の見え方は上下逆になる事はない。
- 目が上下ではなく左右についてるから
- 鏡の向こう側には我々がいる世界とは異なるもう一つの世界が存在しており、そこでは全てが反転しているから。
- さすがに不便すぎるから
- 鏡は正面から見たとき、手前と奥を逆転させているだけで、そのとき上下は変化しないから。
- なぜ鏡は左右逆に写るのに上下逆でなないのか、自分なりに考えた回答 光の反射を考えたとき上下逆になるのはあり得ない
- 人の脳が、鏡に写る自分(と思われるもの)の右手と自身の左手が連動していると判断し、すなわち左右が逆とみなしているから。
1. 「研究」って何?
よく、大学で「研究する」というが、
そもそも研究とは何だろうか。
1.1. 研究とは
- 問題をみつける。
- その問題について調べる。
- 得られた知識を書く (=論文)。
- つまり 研究 = 調査 である。
- 研究では 新しい知識 が得られなければならない。
- 研究の結果は、客観的 でなければならない。
大学の役割
- 大学の研究 = 調査して論文を書くこと。
- 大学の先生 = 研究をする人。
- 大学の役割 = 研究の方法を教える場所。
- 授業におけるレポート・実験 = ミニ研究。
次のものは研究か否か?
- 世界一面白いダジャレに関する研究。
- ドラえもんが住んでいた場所を景観から推測する手法。
- ニュートンの第二法則 F = ma が成り立つことの証拠。
1.2. 研究に必要なスキル
- 問題を思いつくスキル。 (これが実は一番大変)
- 調べるスキル。 (← 今日やる部分)
- 初級編: ネットで検索する。
- 上級編: 論文を読む。
- 書くスキル。
2. 情報を調べる (初級編)
2.1. 図書館を使った検索
(前回やったので省略)
2.2. 辞書を引く
- goo辞書 など。
- スマートフォンで「検索」すると、自動的に辞書が表示される場合もある。
2.3. ネットを使った検索
- 検索エンジン
- Wikipedia (東京工業大学)
問題点:
- 出典が明記されていない。
- 独自研究が書かれている。
(独自研究は載せない)
- 古い情報が更新されていない。
- 都合の悪い情報が消されている。
(過去の不正とか)
- 本当の一次情報は、TV・新聞・ネットではたどり着けない (ことが多い)。
TV・新聞・Wikipedia … まとめサイト
- 「英語は重要」…とよく言われる。
これを裏付けるひとつの方法として、
日本語と英語の話者人口および情報量の違いを調べよ。
- 「ワクチンは副作用が危険だからやらないほうが安全」という人々 (anti-vaxxer) がいる。
こうした人々を説得するために、年間のインフルエンザによる死者数、
およびインフルエンザワクチンで副作用が生じた人数を調べよ。
- ヒント:
英語における「anti-」の発音は「アンチ」ではなく「アンタイ」。
- 中国語で「手紙」と書くと、日本語の「手紙」とはまったく意味が異なる。
どのような意味になるか。
- (応用問題)
コロナウイルスの影響でトイレットペーパー不足が生じた国は、日本だけではない。
世界でどれくらいのトイレットペーパー不足が生じたか。
- ヒント:
「不足」 = shortage、
「国ごとの」 = by country
3. 情報を調べる (上級編)
なぜ統計資料・論文が重要?
- ネットはウソだらけ。マスコミは意見が入りすぎ。
- 本物の情報 (一次情報) = 資料または論文。
- 答えが曖昧・どっちかよくわからんときに、
はっきりした回答を得るのに使える。
- Wikipedia・新聞・TV を介さず、一次情報に直接アクセスすべし。
3.1. 統計資料を調べる
統計資料の検索にも検索エンジンを使うが、
「一次情報 (調査方法や図表の入ったもの)」を見つけるには
たとえば以下のサイトにある情報に絞りこむ:
- 日本の大学生は、平均してどれくらいの時間学習しているか?
元となる調査資料を検索せよ。
- 現在の大学生のバイトの時給は、平均してどれくらいか?
統計資料を見つけよ。
3.2. 論文を調べる
検索エンジンで論文も検索できることがあるが、
専用の「論文検索サイト」を使うとより細かい検索が可能。
(ただし、分野によって得意な検索サイトが違う。)
- 南極の氷が減っているという。しかしネットを検索すると「減っている」という記事と
「増えている」という記事の両方がある。どっちが本当なんだ? 白黒はっきりさせるために、
Google Scholar で該当論文を検索し、
「被引用数」が多い論文を見つけよ。
(被引用数… 他の論文に「出典」として使われた (引用された) 数。
研究者による「いいね!」みたいなもの)
- 明和7年 (1770年)、太陽活動による史上最大規模の
磁気嵐 (magnetic storm) が発生し、
日本では本州でも赤いオーロラが見えたという。
arXiv.org を検索し、
これについて記述した物理の論文を見つけよ。
また、磁気嵐は電子機器類を無力化するため、強力な磁気嵐が発生すると
文明が壊滅するのではないかと心配する人々がいる。
これに対する反論を見つけよ。
- 酒に弱い日本人が増えるよう「進化」 遺伝情報から判明 (朝日新聞、4月26日) という記事がある。
これは本当か? ここで言及されている Nature Communications の論文を発見せよ。
4. 著作権について
「著作権」というと、何やら怖い話のように思われることが多いが、
本当にそうなのか。
4.1. そもそも法律って何?
法律・規則 = 国・お役所が動くためのプログラム。
(e-Gov)
- 六法: 憲法、民法、商法、刑法、民事訴訟法および刑事訴訟法。
- 法律・規則は、知らなければ損をする。知っていればトクをする。
- 東工大も規則によって動いている。
- 日本国に「法律」はいくつぐらいあると思うか? (Zoomチャットで回答)
- なぜ「著作権」などというものが必要だと思うか?
4.2. よい社会とは何か?
- 以下のうち、どれが一番「楽しい社会」だと考えられるか? (Zoom投票で回答)
- 著作物 (小説、アニメ、音楽、ゲーム、教科書など) がまったくない社会。
- 著作物が少しだけ存在する社会。
- 著作物が大量に存在する社会。
- 自分が一国の王様 (または大統領) だと仮定して、
世の中の著作物を増やすために、市民にどういう指令を出せばよいか?
著作物にまつわる難しさ
- 創作活動を強制することはできない。
- 自発的な創作活動をする人は全体の 1割程度
(1%の法則)。
- もしパクられたら?
- やる気なくす。
- 創作活動で生計をたてることはできない。
- → 社会から著作物が減ってしまう。
- しかし完全に「ゼロ」から作られた著作物もほぼ存在しない。
- 某アニメには元ネタとなった小説・童話が存在する。
- 昔の洋楽・民族音楽にインスピレーションを受けて作られたポップスは多い。
- どの程度「創造的」ならば独自の作品といえるのか、
客観的な基準があるわけではない。
4.3. 著作権の機能
- 日本では、すべての著作者に
著作物人格権が認められている。
→ パクられたときに「自分が作った」と主張できる。
→ 自発的に創作した人を保護する機能がある。
- 「独占的な権利」である。
→ 作者しか持てない。
- 複製 (コピー) や改変を制限できる。
→ 「コピーしちゃダメ」
→ 「作者の名前を書くこと」
- 複製に対して対価を要求できる。
→ 金もうけが可能。
- でも、カネがすべてとは限らない:
- 実は、わざと不完全にできている。
- 親告罪である。侵害された側が訴えないとダメ。
- 抽象的なアイデア (数学の公式など) はダメ。
- 「適当な対価」でないとダメ。
- 有効期限がある (日本では死後50年)。
- 日本の場合: 著作物の「引用」が可能
- 引用すべき明白な理由が必要。
- 引用できる部分はなるべく少なく。
- 引用元を明記する。
4.4. 世界各国の著作権
- ベルヌ条約 (Berne Convention): 著作権は (ほぼ) 世界共通で適用される。
- 米国: 著作権 = 純粋にお金の問題
Fair Use: 著作者に金銭的な損害を与えない利用
4.5. 著作権侵害はなぜ悪いのか
- 違法コピー・違法ダウンロード = 泥棒?
- 図書館で本を借りる = 泥棒?
- お金を払わなかったら作者は飢え死にするのか。
- 「ちょっとぐらいなら大丈夫」?
プールでおしっこするのに似ている。
- 著作権違反の本当の害: 著作物が減っていき、社会がつまらなくなる。
5. 本日のまとめ
- 研究とは、調べることである。
- 真実 = 資料・論文。
- Wikipedia は、疑ってかかるべし。
- じつは著作権は、世の中を楽しくするための権利だった。
- 自分が好きな (現実の事柄について記した) Wikipedia の記事をひとつ選べ。
- その中で「真偽がはっきりしない情報」「出典が明記されていない情報」を見つけよ。
- ネットを検索し、間違いと証明できる情報を見つけよ。
(あるいは、出典がないものに対しては出典を見つけよ。)
ここで調べた結果は、来週のグループ討論で簡単に発表してもらう予定です。
Yusuke Shinyama