第3回 - インターネットのしくみ、電子メールの使い方

  1. 前回までのあらすじ
  2. インターネットのしくみ
  3. 電子メールの原理
  4. メールアプリの設定
  5. 本日のまとめ

注意: 今週は、課題が2つ (小課題 + クラス共通課題) あります。

雑談

本日のお題: 趣味について。

0. 前回までのあらすじ

演習 3-1. 前回の復習
  1. コンピュータの4大装置を答えよ。
  2. 容量 1メガバイトのメモリには、0 または 1 の組み合わせが何桁入れられるか?
  3. 動作周波数 1GHz のコンピュータは、1秒間に何回命令を処理できるか?

1. インターネットのしくみ

コンピュータから見ると、ネットワークは巨大な入出力装置である。

演算装置 ネットワーク 入力 出力

1.1. コンピュータ・ネットワークの歴史

1.2. インターネットの特徴 = 自由

ネットワークは構築するのが非常に大変だ (道路と同じ)。 なので、一度作ったら、なるべく自由に使えるようにしたい:

インターネットと比べると、テレビは自由がほとんどない:

ウェブページと電子メール = オープン

ウェブと電子メールは、世界標準の規格が公開されている。 そのため、誰がどんな目的で使ってもよいし、どんな機材で使ってもよい。 このような規格を「オープンである」という。

演習 3-2. ウェブと電子メールを使う理由

なぜ大学からのお知らせは LINE ではなく電子メールを使い、 大学案内は「あつ森」でなくウェブに載っているのか?

1.3. どこを通っているのか?

1.4. どうやって通信するのか?

線は一本しかないのに、複数のコンピュータが同時に通信できる。なぜか?

2通りの方法がある:

  1. 回線交換 … 電線を実際につなぎ替える。 (1960年代の電話交換手)
  2. パケット交換 … 情報を小さく分けて (パケット) 送信する。 (現在のネットワークは、ほとんどこの方式)

1.5. パケット通信とは何か?

ケーブルの中には、複数のデータ (パケット) が流れている。

ウェブ LINE メール 動画配信

各パケットには「ポート番号」という (仮想的な入り口を模した) 数字がつけられている。このポート番号により通信の種類 (HTTP, SMTP など) を区別する:

演習 3-3. ブラウザとメールアプリ
  1. 自分の知っているウェブブラウザ (ウェブを見るもの) を 2つ以上挙げよ。
  2. 自分の知っている電子メールアプリ (電子メールを読み書きするもの) を 2つ以上挙げよ。

1.6. サーバとクライアント

ネットワークにつながっているコンピュータには2種類ある:

2. 電子メールの原理

電子メール (E-mail) とは、 インターネットの「25番ポート」を使って、 文字や画像を送信するための仕組みである。

(注意: 同じく文字を使っていても、たとえば LINE は仕組みが違うので 電子メールとは呼ばない)

2.1. 電子メールの送信手順

インターネット 送信用 サーバ 受信用 サーバ PC PC 自分 相手
  1. 自分: メールを書く。
  2. 自分PC: 大学の送信用サーバに送る (〜10秒)
  3. 送信用サーバ: 宛て先に書かれた受信用サーバに送る (〜10秒)
    (送れない場合、4〜5日のあいだ繰り返す。)
  4. 受信用サーバ: 宛て先ユーザのメールボックスに格納する (〜10秒)
  5. 相手PC: 受信用サーバにメールが来ているかどうかをチェック。
  6. 相手: メールを読む。

2.2. メールの「ヘッダ」

2.3. メールアドレスの書き方・読み方

shinyama.y.aa @ m.titech.ac.jp
ユーザ名 アット サーバ名
(ドメイン名)
演習 3-4. 間違いを探せ!

以下のメールアドレスで、間違っている部分はどこか。

  1. shinyama.y.aa@m.titech.ac.pj
  2. shinyama.y.aa@m.titech,ac.jp
  3. shinyama.y.aa@m.t¡tech.ac.jp
  4. shinyama.y.aa@m.titech.ac.jp
  5. shinyama.y.aa@M.TITECH.AC.JP
  6. shinyama.y.aa@m.titech.ac.jp

2.4. 送れないとき

メールが送れない場合、自分から相手までのネットワークのどこかに原因がある。 (が、どこか正確にわからないことも多い)

? ? ? ? ? 自分 相手
  1. 自分側のサーバの電源が切れていたら?
  2. インターネットの接続が切れていたら?
  3. 相手のサーバ名が間違っていたら?
  4. 相手側のサーバの電源が切れていたら?
  5. 相手のユーザ名が間違っていたら?
  6. サーバのディスクが一杯だったら?
  7. 相手がメールをチェックしなかったら?

メールが送れなかったとき、 「送れませんでした」という通知が自分宛のメールに来る。

演習 3-5. 電子メールのふるまい
  1. メールの差出人はなぜ書く必要があるか?
  2. aaa@nonexistent.com に送ったら、どの時点でエラーが発生するか?
  3. nonexistnet@titech.ac.jp ではどうか?
  4. 大学サーバが停電している場合、メールは届くか?
  5. インターネット全体が停電している場合はどうか?
  6. 相手先サーバが停電している場合、メールは届くか?
  7. 3日間、メールが届かない場合、それは永久に届かないか? 10日ではどうか?
  8. 大学の合格通知をメールで出すのに問題はあるか?
  9. 電子メールはつねに郵便よりも早く届くか?

2.5. 電子メールの危険性

雑談・チャット等における「顔文字」文化の違い

3. メールアプリの設定

とりあえず、今のところは 東工大ポータルにログインして Tokyo Tech Mail を開けば メールの読み書きができる。 しかし、いちいちポータルにログインするのは面倒くさい。 専用のメールアプリを使うと、ログインしなくてもメールの読み書きができる。

大学の演習室では「Thunderbird」というアプリを使う。 これは Windows、Mac のどちらにも対応している。

自宅のパソコンで Thunderbird を使う方法

  1. まず 共通メール認証ID を発行し、メモしておく。
  2. Thunderbird アプリをインストールする。
  3. Thunderbird 設定ガイド に従って、設定しませう。

3.1. メール転送の設定

別の方法として、 もし別のメールアドレス (Gmailなど) をすでに持っている場合、 大学のアドレス宛てに来たメールをさらにそのアドレスに転送 (実際にはコピー) することもできる。 こうすると大学のメールは従来のアプリで受けとれるので、 新しくメールアプリを設定する必要はない。

相手 インターネット 送信用 サーバ 受信用 サーバ インターネット 受信用 サーバ 大学の アドレス 別の アドレス

注意: メールの転送をおこなう場合、 2つの受信用サーバが完璧に動く必要がある。 さもないと、最悪の場合、届いたメールが失われる危険がある。

  1. ポータルにログインし、Tokyo Tech Mail を開く。
  2. 画面左下の「環境設定」をクリックする。
  3. 以下のように転送先のアドレスを入力する:
    上の画面で「メールのコピーを残す」にチェックを入れることをおすすめする。 さもないと、転送がうまく動かない場合、届いたメールが失われてしまう。

4. 本日のまとめ

小課題2. 電子メール送信の練習 (5月3日締切)

クラス共通課題は、全クラス共通の (やや大変な?) 課題です。

クラス共通課題1. 電子メールの仕組み (5月3日締切)

来週の予定

附属図書館スタッフの方が直接 Zoom 授業をおこないます。
(注意: この回だけは Zoom リンクが異なります。 リンクは後日メールで送信・Discordでアナウンスします。)
Yusuke Shinyama