大学教員のための Microsoft Teams 入門

2020/04/15
新山 祐介
東京工業大学 超スマート社会卓越教育院

概要: この文書では、大学教員が Microsoft Teams を使うための手順を説明する。 最初に Microsoft Teams のおもな用途を紹介し、 つぎに各場面ごとの利用方法を説明する。

1. Microsoft Teams で何ができるのか?

Microsoft Teams (以下 Teams) は、 以下のような用途に適している:

  1. グループ連絡と会議
  2. Office文書の共同作成
  3. 個人間の連絡・打ち合わせ

Teams は、以下のツールにとって代わるものと考えればよい:

従来のツールと比較すると、Teams には以下のような利点がある:

2. 使用にあたっての準備

Teams の利用には、Office 365 アカウントの作成が必要である。 (注意: これは個人で利用している "Microsoft アカウント" とは別物)

アカウント作成後、Webブラウザから

https://teams.microsoft.com/
にアクセスすれば使用可能となる。 (注意: macOS Safari ではうまく動かないので、別のブラウザを使うか、 デスクトップ版をインストールすること)

ほとんどの機能は Webブラウザからも利用可能だが、 独立したアプリであるデスクトップ版のほうが便利であるため、 デスクトップ版のインストールを推奨する。 画面左下のアイコンをクリックすると、ダウンロードを開始する。

設定変更

Teams設定を変更する場合は、右上のアイコンをクリックする。 メールの転送設定も参照のこと。

3. 利用方法: グループ連絡と会議

Teams の基本形態は チャネル (channel、チャンネル) である。 まず画面左のアイコンから「チーム」を選び、 つぎに各チームに所属する「チャネル」を選択する。

チャネルとは、ある用途・目的ごとのチャットであり、メーリングリストのようなものである。 たとえば会議の参加メンバーは、ひとつのチャネルを構成すると考えればよい。 「一般 (General)」チャネルは、そのチームのメンバー全員が所属するチャネルである。 チャネルを選んだら、チャットにメッセージを入力する。

注意: メッセージは通常 1行しか入力できないので、 長い文章を入力する場合は以下のボタンを押す:

メッセージにはファイルを添付することもできる。 この場合、そのファイルに対してさらにコメントを追加したり、 別のメンバーにファイルを編集させることができる。 (後述)

また、各チャネルはビデオ会議の会場でもある (この意味では、テレビのチャネルに似ている)。 「ビデオ会議開始」ボタンを押すと、そのチャネルでビデオ会議をすぐに開始できる。 チャネルには会議中である旨が表示され、そのチャネルのメンバーは 「参加」ボタンを押すと会議に参加できる。

なお、ビデオ会議中もチャットは可能であり、 その内容はチャネルに投稿される。

メールの転送設定

チャネルに投稿されたメッセージは Teams を起動していない場合、すぐに見ることができない。 このような場合にそなえて、Teams は自分宛のメッセージを 電子メールでも通知するようになっている (デフォルト設定)。

このメールは Office 365 のアドレスに送られるため、 自分が普段使っているメールアドレスで通知を受け取るには Office 365 の "Outlook" アプリでメールの転送を設定しておく。

4. 利用方法: 文書の共同作成

チャネル上のメッセージに添付したファイルは、 基本的にそのチャネルのメンバーが誰でも変更できるようになっている。 添付されたファイルをクリックすると、Teams内で編集が可能となる。

チャネルに投稿されたファイルの一覧は、 画面上部の「ファイル」タブをクリックしても表示される。

内部的には、投稿されたファイルは、 チャネルごとに別々のフォルダに格納されている。 たとえば「一般 (General)」チャネルに投稿されたファイルは、 "General" フォルダに格納されているといった具合である。 この内部構造は、SharePoint を使ってフォルダに 直にアクセスしたときに目にすることができる。 (SharePoint についてはここでは触れない)

5. 利用方法: 個人間の連絡・打ち合わせ

Teams では個人間の連絡も同様に行うことができる。 画面左の「チャット」アイコンをクリックし、 連絡したい相手 (複数可) を指定する。

個人間でのチャットは、一時的なチャネルと考えればよい。 通常のチャネルと同様、ビデオ会議やファイルの共有も可能である。

6. 応用編: 進捗管理アプリ (Planner) の利用

各チャネルには、チャット以外の機能を追加することもできる (具体的な方法はここでは割愛する)。 代表的な例が進捗管理アプリ (Planner) で、 やることの一覧を「カード (PostItのようなもの)」として貼りつけ、 優先順位をつけて管理することができる。

各カードには内容、担当者、現在までの進捗等を書きこむことができ、 ファイルも添付できる。

7. 応用編: 学生にグループ課題を与える

学生に Teams を使ってグループ課題を与えるときの手順は以下のようになる:

  1. 学生に Office 365 アカウントを与える。
  2. クラス全員が所属するチームをひとつ作成する。
  3. 各グループごとにチャネルを作成し、グループの学生を所属させる。

(本当は Teams にはクラス課題用の機能もあるのだが、著者の学習不足のため割愛)


Yusuke Shinyama