やったこと

• 実行された命令の完全なトレースを効率よく保存する。
  • 0x00400024, 0x004000028, 0x00422ef8, 0x8fda9ace, ...
• 従来手法の問題:
  • 完全な記録をとるとデータ量が膨大:
    例: 4バイト × 1G命令/s × 2スレッド = 8GB/s
    
    (参考: フルHD動画 60fps 無圧縮 = 373MB/s,
       SATA 理論値: 2GB/s, USB3 理論値: 625MB/s)
  • 数値の羅列として圧縮すると、解析がめんどう。

基本的なアイデア

ほとんどのプログラムでは同じ部分が何度も実行される。

基本的なアイデア

共通する部分を DAG としてまとめる → 高圧縮。

階層構造を反映 = "Hierarchical Program Paths"

処理の流れ

1. プログラムを、呼び出しを含まない直列な部分
   (BL path) に分割し、実行時にそのIDを記録する。
2. 呼び出しを子ノードとして記録する (HPPTree)。
3. 木構造をまとめて DAG にする (HPPDAG)。
   

BL Path の例

HPPTree の例

• "1,2,3,4,1,2,3,5,2,6,8,5,2,6,7,9,8,…"
  → (1 2 3 4 (1 2 3 5) (2 6 8) 5) (2 6 7 (9) 8)

評価

• 既存手法 (BLPT) と速度およびサイズを比較。
• 速度はほぼ同じ、HPPDAG は高圧縮 → オンメモリで解析可。

まとめ

• 実行時のトレースを効率よく保存する手法を開発。
• 評価および応用例を示した。
  • HPPDAG応用例: 「よく通る上位100 path を求めよ」

個人的な感想

• 「完全なトレースの保存」が
  それほど重要な問題とは知らなかった。
• 基本的なアイデアはわかりやすい。
• 手法・実験は詳細に書いてある。